名古屋高等裁判所 平成10年(行コ)38号 判決 1999年4月16日
名古屋市名東区勢子坊三丁目一二〇一番地
控訴人
加納康之
名古屋市名東区勢子坊三丁目一二〇一番地
同
加納昭子
愛知県日進市岩崎町阿良池五八番地の一三
同
加納捷之
愛知県日進市五色園一丁目五〇一番地
同
荒川久子
愛知県日進市五色園三丁目九一五番地
同
犬飼絢子
控訴人ら訴訟代理人弁護士
竹下重人
同
籠橋隆明
名古屋市千種区振甫町三丁目三二番地
被控訴人
千種税務署長 藤田新二
右指定代理人
鈴木拓児
同
堀悟
同
吉野修進
同
山口薫
主文
一 本件控訴をいずれも棄却する。
二 控訴費用は、控訴人らの負担とする。
事実及び理由
一 当事者の求める裁判
1 控訴人ら
(一) 原判決を取り消す。
(二) 被控訴人が、控訴人らの平成五年分相続税について平成七年七月七日付けでした更正処分は、控訴人加納康之につき納付すべき税額一億四四六一万二二〇〇円、同加納昭子につき納付すべき税額三〇四万四〇〇円のそれぞれ全部を、同加納捷之、同荒川久子及び同犬飼絢子につき、それぞれ納付すべき税額二四四万九八〇〇円のうち二五万七六〇〇円を超える部分を、いずれも取り消す。
(三) 訴訟費用は、第一、二審とも、被控訴人の負担とする。
2 被控訴人
主文同旨
二 当事者の主張
次のとおり補正するほか、原判決の「事実及び理由」欄の「第二 事案の概要」の記載を引用する。
1 原判決九頁二行目の「原告」を「控訴人ら」と訂正する。
2 同一〇頁二行目の「場合」の次に、「更に、後者すなわち求償権の行使について換言すれば、相続開始時における主債務者の財産状況を詳細に検討し、保証債務履行による求償権が行使不能と判断できる場合」を付加する。
3 同添付別表一の一の「申告」及び「更正」の行の「過少申告加算税」の段の各「一」、同表一の二の「申告」の行の「過少申告加算税」の段の「一」、同表一の三の「申告」及び「修正申告」の行の「過少申告加算税」の段の各「一」並びに「過少申告加算税賦課決定」の行の「課税価格」及び「納付すべき税額」の段の各「一」をいずれも削除する。
三 当裁判所の判断
当裁判所も、控訴人の本訴請求は理由がないものと判断するが、その理由は、次のとおり補正するほか、原判決の「事実及び理由」欄の「第三 当裁判所の判断」の記載を引用する。
1 原判決一二頁一一行目の「又は」を「若しくは」と訂正し、同行目の「等により」を「により、又は右の程度の事態に立ち至らないとしても、債務者につき、」と訂正する。
2 同一三頁六行目の「場合も」を「場合なども」と訂正し、同一四頁二行目末尾に「また、控訴人らは、更に、求償権行使による回収不能が、相続開始時における主債務者の財産状況を詳細に検討し、保証債務履行による求償権が行使不能と判断できる場合は、保証債務の控除を認めるべきである」旨主張するが、右主張は結局前記二及び三後段と同趣旨に帰着するというべきである。」を付加する。
3 同一六頁一〇行目末尾に「ただし、正之が、担保不動産の売却により債務を返還して会社を清算する方針を定め、経営を順次縮小してきたとの点については、控訴人康之本人は一部それに沿う供述をするが、正之は、昭和六三年五月当時でも、担保不動産の一部を控訴人康之に相続させ、康之において同不動産を売却するのではなく、これを活用して収支の拡大均衡を図るよう促す内容の遺言状を作成している(甲四)うえ、後述するように本件相続開始の前後に、担保不動産の処分をした事実はないし、銀行取引の規模が縮小した事実もなく、売上げも億以上であって、右控訴人の供述部分は採用できず、前記事実は認めることができない。」を付加する。
4 同一七頁三行目の「争いがない」を「昭和六二年六月期から平成五年六月期までは、当事者間に争いがなく、同六年六月期から同八年六月期までは、甲第一〇号証の三ないし五により認められる。」と訂正する。
5 同二二頁一行目の「うかがわれる」の次に「(甲一〇の二、乙二九ないし三一の各五、控訴人康之本人尋問の結果)」を付加する。
6 同二三頁二行目の「計上されている」の次に「(甲一〇の二、乙三三の二)」を、同三行目の「なくなっており」の次に「(乙三四の二)」を各付加する。
7 同二七頁八行目の「争いがない」を「平成元年二月期から平成五年二月期までは、当事者間に争いがなく、同六年二月期から同九年二月期までは、甲第九号証の三ないし六により認められる。」と訂正する。
8 同三〇頁一〇行目の「日鷹鉄工は、」の次に「前記のとおり」を、同三一頁一行目の「なかった」の次に「(乙二〇)」を、同二行目の「日鷹鉄工は、」の次に「前記のとおり」を各付加する。
9 同三二頁四行目の「なされた」の次に「(甲一一、控訴人康之本人尋問の結果)」を付加する。
10 同三四頁七行目の「いえない」の次に「(したがって、相続開始時において、銀行借入金を弁済した後は、求償権を行使しても回収できないという見通しは明らかである旨の控訴人らの主張は採用できない。)」を付加する。
よって、控訴人の本件控訴は理由がないから棄却することとし、控訴費用の負担につき行政事件訴訟法七条、民事訴訟法六七条、六一条を適用して、主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官 渋川満 裁判官 河野正実 裁判官 佐賀義史)